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私はそうは思わない。
私たちの社会意識とは無関係な、もっと生物学的、生理学的要因もあるのではないかとにらんでいる。
一般に妊娠を可能とする精子の数は、精液1ミリリットルあたり2000万個以上とされる。
欧米先進国では、精子の数がきわめて少なく、妊娠不可能なケースも多いという。
先進国では男子の生殖能力があきらかに低下しているわけで、日本も例外ではない。
日本の成人男子の精子数も、じょじょに低下しつつあり、このままでは21世紀中に生殖能力がなくなってしまうとさえいわれている。
男子の生殖能力低下の原因についてはいろいろな説があるが、その有力な1つが環境ホルモン説だ。
20世紀の先進諸国では、これまで自然界になかった化学物質が大量に合成され、自然界に飛散している。
その化学物質がホルモンとして機能して生殖能力を衰えさせているのではないかという説だ。
実際、日本の河川や海では、環境ホルモンの影響で、生殖機能に異常をきたしたフナやハマグリなどが多く発見されている。
ダイオキシンをはじめとする環境ホルモン物質が体内でどのように作用するのか、そのメカニズムはまだあきらかになってはいないが、少なくとも私たちのカラダに深刻な影響を与えていることはまちがいない。
しかし、原因は環境ホルモンだけではないと思う。
この問題には私たちの食生活が大きくかかわっているのではないか。
戦後、私たちの食生活は大きく変わった。
牛肉、豚肉など、動物性タンパク質をより多くとるようになり、相対的に、穀類、野菜類の摂取量は低下の一途をたどっている。
良質なタンパク質をとるようになったおかげで、日本人の体格は戦前にくらべ格段にりっぱになった。
いまの若者は背が高く足が長い。
かつての背が低く短足な日本人的体型とは、大ちがいである。
しかし、カラダがりっぱになったのはいいが、耐久力、持久力といった体力のほうは、低下の傾向にあるのも事実だ。
これは毎年おこなわれる、児童の体力測定結果にはっきりとあらわれている。
体格はりっぱでも、体力がなく体質は弱い。
集中力がなく疲れやすい、アレルギーにかかりやすい、ひよわな子どもたちが増えている。
りっぱなのは見かけだおしで、おおかたの若者はヒョロヒョロ背が高いだけのいわゆる「もやしっ子」だ。
こうした体力の低下、体質の脆弱化と、生殖能力の低下との間になんらかの関連があるのではないかと、私はみている。
そして、こうした変化は、野菜の摂取量が減ったことが原因になっているのだ。
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